2017年03月22日
天竜杉の大丸太③
『天竜杉の大丸太②』の続きです。
鋸が根元まで入り、杢目があらわれました。
かまぼこ状になった丸太。
このかまぼこを、さらに製材します。
縦にスライスしながら、製品をとっていきます。
木取りの通り、無駄は出しません。
大きく形とった材から反りを抜き、成形していきます。
丁寧に木屑を払い、一本一本仕上げます。
芯去材の製材は通常の製材工程より作業が多く、時間を要します。このように、何回か鋸を通してようやく一本の製品ができるのです。
今回挽いた製品はこちら。
芯去の桁、柱です。芯を落とした材は割れにくく、柾目が美しく出やすいのが特徴です。
しかし、芯去材は丸太の芯を避けて取るため、大きな材が取りにくくなります。
(柾目を美しく見せるためには大きな丸太が必要)
そこで、今回は樹齢130年の丸太を使わせていただき、芯去の大きな材をとることに
チャレンジしました。赤身がはった綺麗な材が取れました。
『天竜の丸太で綺麗な材をつくり出す事は難しい』と良く周りから言われるのですが、
そんな事はありません。弊社では乾燥機に入れず、天然乾燥で乾かすため、
この製品が使用できるようになるまで早くても3年。長い月日をかけて乾燥させ、
出荷前に再度木取りをします。
手を動かし、汗をかいて良い製品をつくる。『モノづくり』の基本です。
天竜材が持つ魅力を、天竜材の底力を今後も発信できればと思います。
この製品がどのように使われるのかはまた別の機会に。
2017年03月22日 | Posted in 製材事例 | | Comments Closed