集合住宅 材料出荷(東京都渋谷区)
東京都渋谷区代々木に建設された、集合住宅『西参道テラス』材料出荷の過程です。
設計:㈱石川素樹建築設計事務所
施工:㈱渡辺富工務店
外壁として張る天竜杉の格子パネルと羽目板を、弊社にて製材・加工しました。
2440㎜×850㎜の大きさのものを約240枚。
節の加減をうまく調整し、片面化粧用、両面化粧用など設置場所に合わせて製作しました。
外壁の羽目板、外部収納の扉やポストなども同様に塗装しましたが、こちらは木裏使い。
格子のピッチと羽目板の裏透きのピッチが等間隔だった事から、木裏使いに決定しました。
完成した建物を見ると、木裏使いにした理由が良く分かります。
ウッドロングエコを塗装し、乾燥させる工程を数回繰り返し、格子パネルの製作と外壁の羽目板の出荷までに約半年の歳月がかかりました。
3m×330㎜角の杉は、中庭に設置されるベンチです。
両端を除く、中間の2~2.5mに背割りを入れてあります。
座り心地を考えて、角は面取り加工を行いました。
天竜材をふんだんに使った、東京代々木の集合住宅。
『地方と都市の連携』により進められたこのプロジェクトを通して、様々なことに気付きました。
①天竜材を含め、静岡県産材の原木が様々な要望に対応できるという『潜在能力』の高さ。
②お客様が要望する流通規格品以外の商品も、丸太からつくり出せるという『製材所』の強さ。
③意匠の設計図面に柔軟に対応できる製材工場が、意匠の世界で重宝されること。
④静岡県の製材業者として、まだまだ様々な分野にチャレンジできること。
地方と都市が手を結ぶことで、ごみやコストの削減、雇用の創出、人材育成が可能になり、地域活性に繋がります。
この天竜材が地産外商されることで、ヒト・モノ・コトの循環がうまれ、地域循環型家創りが実現するのです。
商圏の一歩外に出ると様々な出会いがあり、発見があり、ときには困難もあります。
しかし、それに増して得ることが多く、やりがいや納材をしたことへの波及効果も大きい。
恐れることなく、これからも前に進んでいきます。