木育
『出世法師 直虎ちゃん』が描かれた絵馬。
浜松市産FSC材の天竜桧で作られています。
『地元の木で作った絵馬に、地元の子どもたちが願いを書き、地元のお寺に奉納する』
井伊直虎ゆかりの地として多くの人が訪れる龍潭寺さんと、絵馬を製作した株式会社フジセンさんの発案により動き出したこのプロジェクト。
願いを込めて絵馬を書いてくれるのは、浜松市立井伊谷小学校の5、6年生です。
総合学習の時間に、木育とキャリア教育を兼ねた授業の時間をとっていただけることになり、弊社も『製材所』の立場からお話をさせてもらいました。
天竜には美しい森林があること、国産材が3割しか使われていないという事実、木を使うことで森林が守られること、そして製材所の仕事について。
天竜川の治水事業に尽力した金原明善氏について、ほとんど全員が知っていたのには驚きました。
今年度で小学校を卒業する6年生には、将来に向けた話も少し交えて。
仕事に向かう姿勢や、夢を持つこと、目標に向けて努力することの大切さなど、自分の経験をもとに精一杯伝えました。
自分のやりたいことを見つけた時に、迷わず挑戦できるような良い準備をしておくことが大切。
この思いが、少しでも伝わっていれば嬉しいです。
後半は、(株)フジセンさんのお話です。
絵馬のような木製品が、どのように作られるのか。
山で木を伐採する場面から、運搬、製材、印刷、くり抜き加工まで、一連の流れをウェアラブルカメラで撮影した映像を見ます。
タイトルは『jyunkan(循環)』
山で生きていた木。誰の手を通して、どのように製品が作られるのか。
森林循環の様子がよく分かります。
この映像を見たあとは、杉・桧の枝、幹、葉、鉋屑等、実際の木に触れます。
においを嗅いでみたり、持ち上げてみたり、表面を撫でてみたり。
なかには、鉋屑を見ただけで『こっちが桧!』と自信を持って答えられた子もいて、改めて木育の大切さを実感しました。
最後はグループで、『木でどのようなものをつくりたいか』について考える時間。
机、椅子、バット、テレビ台…色々な意見が飛び交います。
鍵や眼鏡など実用的な意見もあれば、太陽や土星、銀河などスケールの大きな意見まで。
木のもつ可能性は無限大!
木に興味をもち、いつかこのアイディアを実現してくれることを期待したいです。
ここでいよいよ、願いを込めて絵馬を書きます。
もちろん、FSCについての説明も忘れずに。
木のこと、地域のこと、将来のこと、何か一つでも心に残れば嬉しいです。
2日間の授業を通して、私たちも考えさせられることがたくさんありました。
美しい森林、豊かな資源を未来に残すため、次世代に『伝える』ことが私たちの責任であると思っています。
元気に盛り上げてくれた井伊谷小学校のみなさん、先生方をはじめ、このプロジェクトに関わっている全ての方に感謝します。
楽しい時間をありがとうございました。